デイサービスの入居者が集まらない原因と対策 – 経営コンサルの視点から
2025-04-14
カテゴリ:コラム
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はじめに
1. デイサービスの入居者が集まらない主な原因
デイサービスの入居者が集まらない要因には、以下のようなものがあります。
(1) 競合施設との差別化ができていない
地域内に複数のデイサービスがある場合、特徴や強みが明確でないと、選ばれにくくなります。特に、どの施設も似たようなプログラムやサービスを提供している場合、利用者は選択に困り、結果的に知名度の高い施設や口コミの多い施設を優先する傾向があります。
(2) サービスの質や内容が不十分
介護スタッフの対応、レクリエーションの内容、食事の質などが利用者の期待に応えられないと、評判が悪くなり、利用希望者が減少します。また、スタッフの人員不足や経験不足が原因で、利用者の満足度が低下するケースも少なくありません。利用者一人ひとりのニーズに応じたサービスが提供されていないと、離脱率が高まり、集客が難しくなります。
(3) 集客マーケティングが弱い
地域の高齢者やその家族に対して十分な宣伝ができていない場合、そもそもサービスの存在を認知してもらえません。特に、インターネットやSNSを活用していない施設は、情報発信の機会を逃している可能性があります。また、施設見学会や無料体験の実施が少ないと、潜在的な利用者が実際のサービスを体験する機会がなく、不安を抱えてしまうこともあります。
(4) 施設の立地やアクセスが悪い
交通の便が悪い、駐車場が不足している、送迎サービスが不十分などの要因で、利用しにくいと感じられます。特に、送迎サービスの質が悪いと、家族やケアマネージャーの信頼を失うことにつながります。また、バリアフリーの設備が整っていない場合、高齢者にとって利用しづらい環境となり、結果として利用者が減少します。
(5) ケアマネージャーとの関係性が弱い
ケアマネージャーは利用者のデイサービス選びに大きく関与します。信頼関係が築けていないと、紹介が得られにくくなります。特に、新規参入したデイサービスは、ケアマネージャーとのつながりが少ないため、利用者の紹介を受ける機会が限られてしまいます。定期的なコミュニケーションを取らないと、関係が希薄になり、紹介が途絶えてしまうこともあります。
2. 経営コンサルを用いた対策
それでは、次に介護経営コンサルタントがどのようにして、この問題改善に取り組むかをご説明いたします。
(1) 差別化戦略の策定
競合との差別化を図るために、
- 特別なリハビリプログラムの導入
理学療法士監修の個別プログラム、AIを活用したリハビリ支援システムの導入。 - 地域の特色を活かしたレクリエーションの提供
地元の農園と提携し、季節ごとの野菜収穫体験を実施。 - 高品質な食事の提供
管理栄養士が監修した、糖尿病対応や嚥下障害に配慮したメニュー。
などの強みを打ち出します。
また、デイサービスのコンセプトを明確にすることも重要です。例えば、「認知症ケアに特化」「趣味活動を充実」「アットホームな雰囲気」など、ターゲット層を明確にすることで、競合施設との差別化を図ります。
(2) サービス品質の向上
- 介護スタッフの研修を強化し、接遇レベルを向上させる。
外部講師を招いたホスピタリティ研修の実施。 - 利用者のニーズに応じたレクリエーションの充実。
音楽療法、書道教室、園芸活動など、個々の興味に沿ったプログラムを提供。 - 施設の衛生管理を徹底し、清潔感を保つ。
専門業者による定期的な消毒、清掃マニュアルの作成。 - 定期的に利用者や家族にアンケートを実施し、フィードバックを取り入れる。
アンケート結果を公開し、改善点を迅速に対応。 - 最新の介護技術やリハビリ機器を導入し、サービスの質を高める。
VRを活用した認知症予防プログラム、最新の歩行訓練機器の導入。
といった施策を具体例を踏まえてご提案いたします。
(3) 集客マーケティングの強化
- SNSやホームページを活用して情報発信。
Instagramで利用者の笑顔やレクリエーションの様子を定期的に投稿。 - 地域の病院や自治体と連携し、紹介を増やす。
病院の相談窓口で施設のパンフレットを設置。 - 施設見学会や無料体験を実施し、利用者の不安を解消。
無料の一日体験プログラムを毎月開催。
弊社の場合、実際に私が行ってきて効果を得られたノウハウを用いて、徹底的にサポートいたします。
(4) アクセス改善
- 送迎サービスのルート最適化。
GPSを活用した送迎ルートの見直し。 - 施設の案内表示をわかりやすくする。
- 近隣の駐車場と提携し、利便性を向上。
- 高齢者向けのバリアフリー設備を整備し、利用しやすい環境を作る。
スロープの設置、手すりの増設。 - 送迎スタッフの教育を徹底し、利用者が快適に移動できるようにする。
利用者が検討するうえで上記は他業者との大きな差別化、また検討時の決め手となります。大きな費用をかけずに、施設拡充・快適化に向けて取り組む方法もありますので、ぜひ貴施設に合ったご提案をさせていただきます。
(5) ケアマネージャーとの関係強化
- 定期的にケアマネージャー向けの勉強会や懇親会を開催。
例えば、月に一度ケアマネージャー向けに介護技術や最新の福祉制度を学べるセミナーを開催し、施設の専門性をアピールします。
- 利用者の満足度向上に努め、自然な口コミが広がるようにする。
例として、利用者の声を集めた「満足度レポート」を作成し、ケアマネージャーへ共有。利用者の満足度を高める努力を見える化します。
- ケアマネージャー向けの情報提供を充実させ、信頼関係を深める。
毎月のニュースレターを配信し、新しいサービスや利用者の声を伝え、施設の魅力を伝える施策を実施します。
- 紹介を受けた利用者には特典を提供し、紹介の機会を増やす。
例えば、ケアマネージャー経由で新規利用者が増えた場合、紹介者に対して感謝のギフトや研修参加の無料枠を提供するなど、メリットを感じてもらえる制度を導入。
- ケアマネージャーと個別に面談を行い、施設の強みをアピールする。
定期的にケアマネージャーを訪問し、施設の改善点や要望をヒアリング。信頼関係を深めるために、定期的な1対1の面談を行うことで長期的な関係を築きます。
介護経営にとってケアマネージャーとの連携は欠かせません。実際に利用者が検討する際の窓口となってくださるケアマネージャーには、常日頃から自分の施設の良いところを知ってもらい、紹介してもらいやすい体制を整えましょう。また同時に、個々人との関係構築も大切な要素となってきます。そういった点をどのように改善していけばよいのか、状況に合せて一緒にご検討させていただきます。
3. まとめ
デイサービ
の入居者が集まらない要因はさまざまですが、競合との差別化、サービスの質の向上、効果的なマーケティング、アクセス改善、ケアマネージャーとの関係構築が重要です。経営コンサルの視点を取り入れることで、より戦略的な運営が可能になります。
また、現場スタッフとのコミュニケーションを強化し、チーム全体で取り組む姿勢を持つことが成功の鍵となります。デイサービスの運営を改善し、地域の高齢者にとって必要不可欠な存在となることを目指しましょう。