デイサービスの利用者が集まらない問題に対する介護経営コンサルタントの施策
2025-02-24
カテゴリ:コラム
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はじめに

少子高齢化が進む日本において、デイサービスの需要は高まる一方で、競争の激化により利用者が集まらないという課題に直面する事業者も増えています。
こうした問題を解決するために、私たち介護経営コンサルタントが様々な実例に合わせて、どのような施策を打ち出せるのかについて詳しく解説します。
こうした問題を解決するために、私たち介護経営コンサルタントが様々な実例に合わせて、どのような施策を打ち出せるのかについて詳しく解説します。
1. 市場調査とターゲット設定
まず、地域の市場調査を徹底的に行い、競合施設や潜在的な利用者のニーズを把握することが重要です。
特に、以下の点に注目します。
特に、以下の点に注目します。
- 近隣のデイサービス施設の数と特徴
…リハビリ特化型、認知症対応型、入浴サービス重視型など
・近隣にはリハビリ専門のデイサービスが3軒あり、歩行訓練に特化したプログラムを提供しているが、認知症ケアに特化した施設は少ない。
・入浴サービスに力を入れている施設では、個別対応の浴槽を用意し、利用者の負担を軽減している。
などの強みは、施設のアピールポイントになります。積極的に広報で押し出していきましょう。 - 主要なターゲット層(要支援・要介護度別のニーズ)
…軽度の要介護者向けの活動重視型、重度者向けの医療対応型など
・要支援1・2の利用者は、認知機能の低下を防ぐために軽運動や社会交流を求める傾向があるため、カフェスタイルのコミュニティスペースを併設する。
・要介護3以上の利用者には、理学療法士の個別プログラムを提供し、身体機能維持を重視する。
といったアプローチをすることで、利用を検討している人たちへのニーズに適し、施設に好印象を持ってもらうことができます。
といったアプローチをすることで、利用を検討している人たちへのニーズに適し、施設に好印象を持ってもらうことができます。
- 利用者や家族の意向(アンケートやヒアリングを活用)
…「食事が美味しい施設が良い」「送迎時間が柔軟な方が助かる」など
・利用者のアンケートから『昼食が冷たくて残念』という声が多かったため、温かい食事を提供できる厨房設備を強化した。
・送迎時間を1時間ごとに設定し、家族の負担を減らすため、夜間対応も検討。
現在の利用者の声も積極的に取り入れていきましょう。利用者の視点から見た施設の魅力を増やしていくことで、将来の利用者獲得へと繋がっていきます。
この調査結果をもとに、特定のターゲット層に焦点を当てたサービスの差別化、現状の介護経営の現場との折り合いを考えて、ご提案やサポートをいたします。
2. 差別化戦略の構築
利用者が他のデイサービスではなく、自施設を選ぶ理由を明確にするために、差別化戦略を打ち出すことが不可欠です。
以下のような戦略が考えられます。
以下のような戦略が考えられます。
- 専門的なリハビリプログラムの導入
(例:理学療法士による個別プログラム、歩行訓練用の最新機器の導入) - 認知症対応に特化したケアの充実
(例:回想療法を取り入れたグループ活動、認知症ケア専門スタッフの配置) - 趣味・生きがい活動の充実
(例:園芸活動で実際に野菜を育て収穫する、プロの演奏家を招いた音楽療法) - 食事の工夫
(例:地域の特産品を活かした季節ごとの特別メニュー、嚥下機能に応じた個別対応の提供)
他施設との差別化が明確になることで、特定のニーズを持つ利用者を確保しやすくなります。
3. 施設のブランディングと広報戦略
いくら質の高いサービスを提供していても、その魅力が伝わらなければ利用者は集まりません。
ブランディングと広報戦略を強化することが必要です。
ブランディングと広報戦略を強化することが必要です。
1. SNS・Webサイトの活用
- 公式サイトの整備
…利用者の笑顔の写真を多数掲載、利用前後の変化を紹介
・利用者のインタビューを掲載し、デイサービスを利用することでの変化をリアルに伝える。例えば、『外出が苦手だったが、ここに通うようになり友達ができて毎日が楽しくなった』というエピソードを紹介することで、実際の声、施設での人間関係へ対する安心感を与えられる。
・バーチャルツアー機能を取り入れ、家にいながら施設の雰囲気を感じられるページを設置。体に問題を抱えた方、検討段階の方へ現地へ赴いての内覧の負担を軽減、施設の設備に関する疑問も解消できる。 - SNS(Facebook、Instagram、X)の運用
…1日1回活動内容を写真付きで投稿、職員の紹介動画を公開することで、実際の施設内での過ごし方をイメージしてもらいやすくなる。
・毎日のレクリエーションの様子を写真付きで投稿し、利用者や家族が気軽に施設の雰囲気を把握できるようにする。
・ハッシュタグ(#デイサービス楽しい #介護予防など)を活用し、ターゲット層に届くようにlキーワードを増やした投稿を意識。 - YouTubeチャンネルの開設
…実際のレクリエーションやリハビリの様子を映像で配信
・施設内の運動プログラムを動画で配信し、まだ利用していない人がどんな運動をしているのかを具体的にイメージできるようにする。
・スタッフが介護に関する豆知識を紹介する動画を定期的にアップし、家族や介護者にも役立つ情報を提供。
弊社では、独自のツールを使い、効果的な広報活動のサポートを行います。コンサルタントが直接、広報を作成するので、貴施設の強みを明確に伝えることができます。
ぜひ、ご活用ください。
2. 地域での口コミ・紹介制度の活用
- 地域包括支援センターや病院との連携強化
(例:ケアマネジャー向けの施設見学会を定期開催) - 利用者・家族からの紹介制度の導入
(例:紹介した家族に対して一定期間の無料サービス提供) - 地域イベントへの積極的参加
(例:地元のお祭りでブースを出し、無料健康相談会を実施)
4. サービス品質の向上
デイサービスを長期的に安定経営するためには、リピート利用を増やすことが不可欠です。そのためには、サービス品質を常に向上させる取り組みが求められます。
1.スタッフ教育の強化
- 定期的な研修の実施(例:認知症対応技術の実践研修、接遇マナー向上講座)
- モチベーションアップのための評価制度の導入(例:利用者満足度アンケートを基にした職員表彰制度)
- 働きやすい職場環境の整備(例:シフトの柔軟化、育児・介護と両立できる制度の導入)
2.利用者満足度の向上
- 個別対応の強化
(例:利用者ごとの好みに合わせたレクリエーション選択制度) - アンケートを活用したフィードバックの反映
(例:「食事の味付けを薄めにしてほしい」といった意見に即対応) - 家族との連携強化
(例:家族向けの月刊ニュースレター発行、定期的な面談の実施)
5. 行政支援の活用と補助金制度の活用
経営を安定させるためには、自治体や国の支援制度を積極的に活用することが重要です。
- 介護報酬の加算対象となるサービスの導入
(例:入浴介助加算の取得、ADL向上のためのリハビリ強化加算) - 補助金・助成金の活用
(例:ICT導入補助金を活用したタブレット管理システムの導入) - 地域包括ケアシステムへの参画
(例:地域の医療機関との連携強化による訪問リハビリの実施)
さまざまなケースをご紹介
1:地域ニーズに応じたリハビリ特化型デイサービスの成功
Aさんの会社では、競争の激しい都市部でデイサービスを運営する中で、利用者数に伸び悩んでいました。
介護経営コンサルタントが携わり、市場調査を実施した結果、近隣には一般的なデイサービスは多数あるものの、リハビリ特化型の施設が不足していることが判明しました。そこで、理学療法士と作業療法士を常駐させ、最新の歩行訓練機器を導入。さらに、個別リハビリプログラムを提供することで、脳卒中後の回復を目的とした高齢者の利用が増加。結果として、施設の稼働率向上へと繋がりました。
介護経営コンサルタントが携わり、市場調査を実施した結果、近隣には一般的なデイサービスは多数あるものの、リハビリ特化型の施設が不足していることが判明しました。そこで、理学療法士と作業療法士を常駐させ、最新の歩行訓練機器を導入。さらに、個別リハビリプログラムを提供することで、脳卒中後の回復を目的とした高齢者の利用が増加。結果として、施設の稼働率向上へと繋がりました。
2:食事改善による利用者満足度向上と口コミの拡散
Bさんのケースでは、食事の提供に関する不満が多く、特に「食事が冷たい」「味が合わない」との声が目立っていました。利用者のアンケートを元にメニューを見直し、地域の特産品を活用した手作り料理を提供。さらに、管理栄養士が監修した嚥下食や糖尿病食などの特別対応食を導入しました。
その結果、利用者の満足度が向上し、利用者及び、家族からの口コミで新規利用者が増加。半年で利用者数の増加へとつなげることが出来ました。
その結果、利用者の満足度が向上し、利用者及び、家族からの口コミで新規利用者が増加。半年で利用者数の増加へとつなげることが出来ました。
3:SNS活用で地域の認知度向上
Cさんのお悩みは新規参入のデイサービスで、地域での認知度が低く、利用者が集まりにくいことでした。
そこで、SNSマーケティングを強化し、施設の魅力を発信。特にInstagramでは、利用者の笑顔やレクリエーションの様子を毎日投稿し、施設内の雰囲気を伝えるようにしました。また、YouTubeで「自宅でできる介護予防体操」動画を配信し、専門的な情報を提供。
これにより、施設の認知度が向上し、問い合わせ数が増加。開業1年で、希望の定員数を確保することに成功しました。
そこで、SNSマーケティングを強化し、施設の魅力を発信。特にInstagramでは、利用者の笑顔やレクリエーションの様子を毎日投稿し、施設内の雰囲気を伝えるようにしました。また、YouTubeで「自宅でできる介護予防体操」動画を配信し、専門的な情報を提供。
これにより、施設の認知度が向上し、問い合わせ数が増加。開業1年で、希望の定員数を確保することに成功しました。
このように、地域のニーズ分析、利用者満足度向上、効果的な広報戦略を組み合わせることで、デイサービスの成功率を高めることができます。
まとめ
デイサービスの利用者を増やすためには、単に施設を運営するだけでなく、地域のニーズを分析し、差別化を図りながらブランディングを強化することが不可欠です。
また、サービスの品質向上と行政支援の活用を組み合わせることで、安定した経営基盤を築くことができます。
これらの施策を実行することで、利用者に選ばれるデイサービスを実現し、持続可能な経営を目指すことができるでしょう。
また、サービスの品質向上と行政支援の活用を組み合わせることで、安定した経営基盤を築くことができます。
これらの施策を実行することで、利用者に選ばれるデイサービスを実現し、持続可能な経営を目指すことができるでしょう。